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ファミリーガバナンス信託のデザイン <反抗期の教え>

ファミリーガバナンス信託のデザイン <反抗期の教え>

3.ファミリーガバナンス信託のデザイン

支配権と財産権を分有・分継させていくのが、ファミリーガバナンスにおける信託の機能
というお話を前節でしました。

本節では、ファミリーガバナンス信託がどのようなデザインになるかをお話したいと思い
ます。

デザインとは構成要素の配置のことです。

ところで、子どもというものは、成長に従い、常に親を乗り越えようとします。

いわゆる「反抗期」を向かえるということです。

「人」である以上、【反抗期がない】ということはありません。

それぞれ個性のある「人」として、その表現形態が違うだけでみな一様に反抗期を経由している
と思います。

人は社会での成長に従い、言葉を学び、体が大きくなり、親を乗り越える時期を迎えるもの
です。

親もまた、日々いろいろな経験を積んで、子どもが追いつけないような存在になっていくケ
ースが多いものです。子もゼロ歳なら親もゼロ歳とはよくいったものです。

そのような親の言葉は子どもに直接理解されないかもしれません。
しかし、その子孫には、しっかりと伝わっていくものです。親の言葉は継承される力をもっ
ています。

子が親を乗り越えるということは、実は「親子が一体であると気づく」ということです。

分離されつつある、成長する自分自身を親の中に見出す。

その瞬間に乗り越えるのです。

そして、親もまた、子どもに自分自身を見出します。

その中には、まだ足りない部分もあります。

その瞬間に乗り越えられるものなのです。

子どもの反抗期は実は親の抵抗期だということです。

子どもが乗り越え、親が乗り越えられる。

親子が同じものであると気づく。

事業承継をうまくいかせ、ファミリーガバナンスを実現して、企業を永続化させ、また
子孫に幸福を開花させることが、この生身の親子関係に内在しているのです。

しかし、これを認めることは容易ではありません。

現に親は子どもを見るに、足りないと感じるものだらけです。

同じであるとみなすだけで、事業承継は円満に解決するのです。

そのように親子が同じであると思えるような人工的家族のデザインは、アドバイザリーボード、
社団法人、信託指図者、信託監督人等によって構図を作ることになります。

親子が同一の存在であることを保障するのがアドバイザリーボードを規律する「家訓」です。

家訓には、過去の未熟な自分に向き合い、いかに周りに助けられたものであるか、そこ
から自分の魂が学んだことを徒然と書いていくものです。

それが家訓。それが理念の明文化です。

デザイン

①家訓

②アドバイザリーボード

③一般社団法人

④信託指図人

このような構造をもったファミリーガバナンス信託をデザインすることがひとつの理想
であると思います。

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