自社株の信託におけるアドバイザリーボード
自社株の信託をする際に同時に構築されるのがアドバイザリーボードです。
アドバイザリーボードは、創業家と経営陣をつなぐ任意団体のことです。
創業家の出身者で多数を占める人的構成になるもよし、逆にそこを少なく抑えて経営陣や学識経験者などを多数にすることもあります。
「目的」によってこの構成は変わってきます。
さて、わたしもアドバイザリーボードに議決権のない「オブザーバー」として入っていることがありますが、ここでの組織と運営は非常にシンプルなものが奏功するようです。
まずは組織。
組織は組合契約など法的に拘束するものから信託受託者となる社団法人の社員や理事規則による緩いものまで多種多様です。
これをファミリーガバナンスの在り方によって設計されていくものです。
そして運営。
ここは何よりコミュニケーションの場です。
定期的に顔を合わせる。
各々の状況を聞きあう。
そしてお互いの得手、不得手を知りあう。
そういうことが大事です。
多数決というよりも全会一致で状況理解の下、互譲で調整しながらものごとの方向性を決めていく。
アドバイザリーボードメンバーとそのファミリーで旅行や食事をすることも大変有効です。
人はお互い周波数をあわせることができるのですが、顔を合わせなければ永久に周波数を合わせることができません。
そして普通の家族であれば好き嫌いで縁を切ることもあるでしょう。
しかし、アドバイザリーボードをもつ創業家家族には創業者の想いを受け継ぎ、一族の価値を守りぬくという天命に仕えるようにしていく責務があると考えます。
したがって、調和の精神を承継し、家族愛を守る場としてアドバイザリーボードを活用している創業家ファミリーは非常に強靭です。
折れない心をもつ家族が支える企業が成長発展しないわけがありませんね。