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創業家統治

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カフェ・アラブ=カルダモンコーヒーを飲みながらの投稿です。
カルダモン。胃液や唾液などの分泌を推進し、胃腸の消化機能回復をたすけるインド産のスパイスらしいです。

さて、ファミリーガバナンス構築のご相談が増えてきているように思います。

一族の価値を永続化させること

その体制を見守ること

デザインすること

ファミリーガバナンスは三層構造だろうとおもいます。

企業=ヒト・モノ・カネ・ネタ=生産手段=資産

つまり資産と生身の創業家族の関係をよりよいものにする。

生身の人間による一族の価値を企業を通じて永続化させる。

有史前から人類がやってきた得意なこと

日本は敗戦により少し世界的には後れを取ったような気がしますが、まあ問題ありません。

さて、ファミリーガバナンスとそれを実現する事業承継信託のことをこれからお話していきましょう。

テーマはつぎのとおりです。

1.ファミリーガバナンスとは何か

2.ファミリーガバナンスと信託との関係

3.ファミリーガバナンス信託のデザイン

4.ファミリーガバナンス信託の機能・運営

このような感じですすめていきます。

1.ファミリーガバナンスとは何か

ファミリーガバナンスとは創業家を規律して適正な合意を促す仕組み。

企業に創業者がいて、創業者には家族がいます。

家族は株式という支配権によって創業者の地位を継承していきますが、企業に入ることもあるし、入らないこともあります。

家族が企業の成長発展を後押しする。

そのための合意形成が必要ですし、それが適正であることも必要です。

適正とは創業者の企業・家族・地域・社会に遺した「理念」にてらして、決定事項であるビジョン、戦略、計画が合理的かどうか。

理念も明文化されているものは少ないでしょう。創業者の言葉を頼りに構成していくことになります。

ファミリーガバナンスのファーストステップは「理念」の明文化と浸透。

こう書くと至極当たり前すぎてしまいますが、当たり前のことができないのです。

理由は、人間がサルと同等の感情の生き物であるからです。

「サル」は感情を持ち、目前の快や不快に反応するだけでいきています。

「社会」を意識しません。

ましてや「あるべき世界」観もありません。

他者との調和、愛を実行することがありません。

バナナを、木の実を、食べるだけです。

縄張りを、守るだけです。

未来を考えることができません。

自制も、共感もなく、自立心も親切心もありません。

人が「サル的要素を全廃する意思」をもつことにより初めて理念というもの本当の意味がわかります。

そして、この意思をもつことは、本当にその到来するチャンスに気づかないと無理です。

私の周りにもたくさんの人がいますが、日本の職業社会人6000万人のうちこれがわかるのは300万人くらいつまり、5%くらいだとおいます。

したがって、当たり前のことではなく、できれば、これは「有難い」ことだと思います。

痛い思いをして、反省を繰り返して、初めてわかることです。

ファミリーガバナンスのセカンドステップは「家族との対話」です。

家族それぞれの強みと弱み、つまり個性を共有すること

そして親は財産についてだれに何を渡すのかを白日の下に共有すること

この二つを2か月に一度程度で食事でもしながらすすめていく。

対話なくして、ガバナンスなし。

成功するガバナンスとは嬉々として規律に服するようにするもの。

より高い、目には見えない絆を感じて、その一体感に酔いしれるものです。

サル的な快・不快ではない、共にいる喜び、仕合せを感じることで共同の便益を素直に受け取る。

そういうことを意識する必要があります。

ファミリーガバナンスのサードステップは「家族への規律」です。

家族が、自制すること

余計なことはしゃべらないこと

そして時間どおりに生活すること

この3つの実践により、思い切った、思いやりのある決断をすることができるでしょう。

家族間の関係というものは甘えまくり、けじめのない、適当にしゃべり傷つけあうもので、時間にルーズで恥をしりません。

そういう怠惰を排除することが何より大事です。

ファミリーガバナンスの要諦はまさにこの規律にむけて家族を意識的に作り上げていくものです。

家族に、人事も財政、そのほかの業務があると考えましょう。

擬人化するのです。

そこから成功するファミリーガバナンスが始まります。

ファミリーガバナンスとは自然の家族関係に人工的な家族関係を覆い被せるものだといえます。

次回はファミリーガバナンスと信託の関係について話をしていきます。

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