ファミリーガバナンス信託の機能・運営<理念適合への助言>
4.ファミリーガバナンス信託の機能・運営
前節ではファミリーガバナンス信託のデザインはどうなるのかをお話させていただきました。
本節では具体的な機能と運営についてお話をさせていただきます。
ファミリーガバナンス信託のデザインとして
家族評議会=より正確にはアドバイザリーボード(助言のための会議)です。
経営する企業の経営の助言です。
一族価値を使い捨てにすることで失われてしまう強靭な経営体力。
そういう反省から創業家家族が企業に貢献していく。
他方で企業価値向上、バリューアップの果実を受け取ることができる。
場合によっては、企業に子孫が入ることもできるし、トップにもなれる。
そんなことを目指して企業の経営のアドバイザーを合同で行う。
合同でというのも大事です。
所詮、人はいなくなりますが、志を一にした仲間ほど役に立つものはありません。
人間は素晴らしいものです。
目や耳や脳が人よりたくさんありますという人でない限り、人の集団をつくり、
その協力をうけて活動していくことが人には必要です。
一人でやれるというならそれは動物と同じ。
力を合わせることが「人間」なのです。
人間が得た天賦の才を合わせれば不可能はありません。
ファミリーガバナンス信託は創業家の支配と財産的バックアップで企業をより
よいものにして社会の発展に貢献していくものです。
家族評議会では、一族価値に照らして受託者法人の役員を選定、指図人が議決権行使の指図
をする。
受託者法人は原則としてその指図に従うが、指図ができない場合には、受託者法人の役員が
議決権を行使する。
受託者法人の議決権行使は、やはり理念に照らして行われる。
こういう運営により「理念の永続化」が実現できることになります。
素晴らしい体制を遺し、すばらしい未来を実現できる。
それがファミリーガバナンス信託の根底にある哲学なのです。