自社株の信託の2大類型。隠居と院政
自社株の信託はその目的(目指すリタイアシチュエーション)によって二つの類型に整理できると思います。
支配権を渡しておく隠居
財産権を渡しておく院政
ただ程度の問題であり、隠居でも支配権をホールドしておくことができますし、院政でも財産権をホールドできます。
院政で財産権をホールドしておくのはわかりにくいでしょうが、半分後継者に渡すなどもあるし、複層化して元本受益権と収益受益権に分離し、元本受益権を後継者に渡すなど。いろいおろ状況によって使い分けていくことになります。
この2類型のうち隠居は節税にならないので税理士の先生は院政押しですね。
まあ、単純な一子相伝家族事業承継であればそれでいいでしょう。
私たちがファミリーガバナンスとよぶ複数の家族、経営陣、株主集団のダイナミクスを制御する仕組みを取り入れようとすると隠居と院政、そして分立や連合を調和をもって取り入れる必要があります。
隠居は支配権の先渡しをします
院政は財産権の先渡しをします
分立は支配権を経営陣・財産権を家族に分属します
連合は支配権も財産権も複数者・複数世代で共有します
そこに通底するのはスリーサークルにどう求心力を働かせるか
この三要素の質量を均衡させる電磁場を発生させることがとても大事なテーマになります。
ファミリーガバナンスのガバナンスの設計に理系の方が多いのは偶然ではありません。
事業承継信託の設計は物理学者に任せ
監督は詩人に任せる
なかなか奥が深いと思います。